日本文学

『東京奇譚集』

村上春樹『東京奇譚集』新潮社 - 村上春樹の新刊と聞いてさっそく読んでしまった。amazonの書評はどれも高評価を付けているが、正直言って私にはピンと来なかった。『ねじまき鳥クロニクル』を境に、自分と村上春樹との間にあった何かが決定的にずれてしまっ…

『働きながら書く人の文章教室』

小関智弘『働きながら書く人の文章教室』、岩波新書(916)、2004 - ひさびさに、読みながらハッとさせられた本。古本屋でたまたま見つけて買った本で、そのとなりには同じ岩波新書の『小説の終焉』がありどちらにしようか迷ったが、今にして思えばこの二冊が…

ぼけぼけ&『半島を出よ』

ぼけぇっとしている日々です。 村上龍『半島を出よ』がようやく世田谷区立図書館に来たので、読みました。久々に本をバーッと読み通しました。 面白かった、です。 村上龍自身があとがきで書いているとおり、北朝鮮の人間をも語り手として用いるという思い切…

『生きていくのに大切な言葉 吉本隆明 74語』

勢古浩爾『生きていくのに大切な言葉 吉本隆明 74語』、二見書房、2004 - 思想家として著名な吉本隆明のあらゆる文章から、勢古浩爾が「これが吉本だ」と思った言葉を74ほど選んで抜粋したもの。勢古浩爾の他の本と同様、文壇の人間でもなければ学者でもない…

『文学部唯野教授』

筒井康隆『文学部唯野教授』、岩波現代文庫 - 早治大学文学部の唯野教授が大学の内部事情を次々暴露しながら進む、教授と作家という二足のわらじを履きかえる生活が半分で、残り半分は唯野教授が立智大学で行う文芸批評という構成の小説。1990年に岩波書店か…