『働きながら書く人の文章教室』

小関智弘働きながら書く人の文章教室』、岩波新書(916)、2004

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 ひさびさに、読みながらハッとさせられた本。古本屋でたまたま見つけて買った本で、そのとなりには同じ岩波新書の『小説の終焉』がありどちらにしようか迷ったが、今にして思えばこの二冊が隣り合って置かれていたというのは皮肉な感じがする。ドストエフスキー埴谷雄高だを持ち出して小説談義をすることに慣れすぎてしまった人間には、この本で語られているような視点が欠けてしまいやすいのだろう。
 一人で、それもできればなるべく田舎で、静かな中に身を置いて読んでほしい本。おすすめ。