Benjamin Compson!

 昨日の続きです。
 『響きと怒り』をどのような作品であるか説明するのは難しいですが、無理をして言えば「アメリカ南部の(架空の)町ジェファソンにおける、名家コンプソン一族の没落」を描いた話です(たぶん)。その特徴はなんと言ってもその技法にあります。4つのSectionからなる作品で、Section1は知的障害を持つコンプソン家の三男Benjamin、Section2は長男Quentin三世、Section3は次男Jason四世による語りにそれぞれなっていて、Section4だけが三人称で語られています。とりわけSection1と2は「意識の流れ」という手法を用いているため、晦渋を極める文体で読むのに苦労します。

 そんなわけで明日までに何か考えていかないといけないわけですが、とりあえず「Benjyの役割」というものについて考えることにします。つまり、Benjyはその設定上、多くの制約(見たものや聞こえたものを描写するだけで、自らは言葉を発することが出来ない、など)を持った語り手なわけですが、その特質がこの小説に対してどのような効果を与えているか、ということです。

 …はたしてこれで何か書けるものなのかわかりません。いつものように(?)今回もK君に相談にのってもらったんですが、彼にもっと重要であろうテーマを示唆されてしまったので、これで本当にいいのかとちょっと不安です。K君いつもありがとう。君の方がずっと文学部にふさわしい!