『考える技術』

大前研一考える技術』、講談社、2004

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 某友人の影響を受けて読んでみた。なので感想も少し友人風にしてみる。
 おもしろくてかつタメになる。結局筆者の言う考える力とは、論理的思考力のこと。仮説→検証→結論。検証部分がキモ。仮説≠結論。プレゼンにはアナログな能力も必要。聞き手が納得する順序で話す。何も見ずに5分でまとめられないようでは無理。強い企業は自己否定によって強くなる。問題認識の全体共有。考え方のフレームワークは借り物じゃダメ。事実の並行的インプット≒複雑系として考える。身近な物事を使っていくらでも思考力は鍛えられる。時間を無駄にするな。

 …という感じ。全体にちりばめられる彼の成功談がちょっと気になるけど、勉強にはなる。ただ、彼は頭が良すぎるので、そうじゃない人間の気持ちはわからないだろうなあとも思う。そして、彼ほどには好奇心の強くない人の気持ちも。
 ただいずれにせよ、自分で考えないとこれからの世界ではイタい目に遭うことは間違いない。
 考えることの困難は、本当の意味できちんと考えようとすると自分の足場がぐらつくということと、それが引き起こす恐怖だろうと思う。少なくとも僕の場合は。考えるにはもちろん枠組みが必要なのだけれど、その枠組みすらも疑いの対象にしておかないといけないのがしんどいなあ、という話。