『死んでいるかしら』

柴田元幸『死んでいるかしら』、新書館

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 翻訳者として有名な柴田元幸先生だが、実はエッセイストとしてもその実力は折り紙付きで、『生半可な學者』で講談社エッセイ賞も受賞している。すっかりお馴染みとなっているきたむらさとし氏の絵も良い。
 大学で授業を受けている分には、「優しく真面目で面倒見の良い先生」という印象しか受けないのだが、ふだんはこんなこと考えているのか…と思うと変な感じがする。そのうち引用させて頂くが、『アメリカン・ナルシス』にある文章もなかなか辛辣で、教室で柴田先生にああ言われたら泣く学生続出だろうなあ…などと考えてしまう。