『スイス人銀行家の教え』

本田健『スイス人銀行家の教え』大和書房

　あまりこういうたぐいの本は読まないんですが（変なプライドがそうさせている？）、札幌の友だちに以前薦められたので、薦められたからには読んでみることにしました。
　いわゆる自己啓発本に対して「怪しい」と疑ってかかるのが僕の基本的なスタンスですが、この本はそういう意味ではわりとまともかなと思います。要は、「お金の性質を知り」「お金と自分との関係を見直し」「自分と周囲との関係をも見直そう」という内容です（たぶん）。
　ちょっとしたお話仕立てになっていますが、ストーリーはちょっとどうかなと思います。登場人物も、僕には魅力ある人間とは思えませんでした。お金があればそりゃああいう感じでものすごく幸せに生きていけるんだろうなとは思いますが。
　ただし、内容自体はまともだと思います。語り方というのか文体というのか、そういうのが気になってしまいますが、そこに目をつぶれば読んで損はないのかなという感じです（人によっては何を当たり前のことを、というレベルの本かもしれません。僕は勉強になりましたが）。

　個人的にはこういう本より、例えば杉村太郎（就活の本なんか書いている人）の本のように、ひたすら行動を促す本の方が好きですが、それも考えてみれば当たり前のことで、自分がそういう風になりたいと思っているからに過ぎないわけです。
　結局のところ、その人に応じた啓発の種類というのがあるんだと思います。