永井均と竹田青嗣

 永井均が真性の哲学者であるのに対し、竹田青嗣は普通かやや理論好きな大人という気がします。こんなこと言ったら竹田に怒られるかもしれませんが、私の哲学の定義から言えば、永井こそ哲学者と言えます。哲学する次元が違うと言ってもいいんじゃないかと思います。永井は哲学すること自体が楽しくてしょうがないというタイプの人間ですが、竹田にとっては哲学そのものに価値があるわけではなく、哲学は何か他のことに役立つ限り価値があるのだと思います。哲学は「ゲーム(遊び)」なのか「道具」なのか、という違いです。
 大学に入った頃、私は自分が永井タイプだと勝手に大勘違いしていましたが、今では明らかに竹田に近い人間だと断言できます。何らかの意味で自分の人生に哲学が寄与しないなら、料理でも練習する方がよっぽどマシです。