『ほぼ日手帳の秘密』

ほぼ日刊イトイ新聞・山田浩子編著『ほぼ日手帳の秘密』、幻冬舎、2005

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 去年から僕も愛用しているほぼ日手帳が生まれた舞台裏(第三部)や、みんながどんな使い方をしているのか(第二部)が全頁カラーで紹介されている。
 糸井重里の手帳への思いを綴った第一部も興味深い。「[……]道具に自分が縛られたりとか、自分がしがみついちゃうような使い方、手帳に自分が奉仕するような関係は、僕はあまり好きじゃないんです(p.21)」「手帳のよさというのは、自転車のようなものだと思うんです。/自転車って、自動車ほど遠くには行けないけれど、自分の行動範囲は、軽く倍くらいにはなりますよね(pp.21-22)」「上書きされない、手書きのメモのいいところは、雑念がそのまま残ることです。考えてきた過程とか、思いついた瞬間に見えた景色とか、そういうものが混ざってる(p.26)」
 そんな糸井氏の思いはきちんと反映されていて、書いていて「楽しい」と思える出来になっている、不思議な手帳。他のユーザーの使い方を読んでいても、そんな思いが共有されているんだなと感じられて何だかうれしくなってしまう。これこそ僕の理想とする、「道具」のあり方。

 ちなみに、この手帳(の4月始まり版)は2月23日よりほぼ日で限定追加販売される予定です。全国のLOFTにもあるとかないとか。興味のある方はぜひどうぞ。