最近読んだ本(SF編)

フィリップ・K・ディック『高い城の男』、ハヤカワ文庫
 二次大戦で枢軸国、すなわちドイツと日本が勝利していたら、という世界を描いた歴史改変型SF小説。単にパラレルワールドを描いたに止まらず…というところこそこの作品が傑作と言われる所以なのだと思いますが、これ以上はこれから読む方のために語らずにおきます。

スタニスワフ・レムソラリス』、国書刊行会
 未知の惑星ソラリス。海のような形をした謎の生命体が惑星の一面を覆っていて、その海は次々に形を変える。…というSF。説明したいのは山々ですが、SFという性質上それはやめておきます。この小説は映画化もされています(「惑星ソラリス」)が、レム自身はいたく不満のようです。それというのも、この小説は映画で解釈されているように宇宙を舞台とした恋愛小説などではなく、あくまで未知の生命体と遭遇したとき人間がどう対応しうるか、という問題を描いた小説であるからです。