興味・関心?

 「私は…に興味/関心があります」
 自己紹介なんかでよく聞きそうな言い方だが、僕はあまりこの言葉を好まない。もっと正確に言えば、何かに「関心を持つ」ということがどういうことなのか、いまいちピンと来ない。
 何ごとにもあまり興味がない人間なのかもしれない、と結論づけて満足するのは簡単だが、それで済ませてはいけないんじゃないのかと最近思うようになった。

 小学生や中学生だった頃は、気が付いたら自分の好きなことに没頭していた(とは言え、プラモデルやジオラマ製作、コンピュータやプログラミングという一人で家にこもる類の趣味ばかりであった。これは大きな反省点として記憶されるべき事項だが、それはまた別の話)。しかし、今はその「気が付いたら没頭」ということがない。何をしていても何を考えていても、「こいつ何してるんだろう」と自分を眺める自分がいる。それ自体がすでに集中力を欠いている現れだが、そんな傍観者の存在に気付くことによって、拡大再生産的に集中が減衰する。

 そんな具合に、「なんで自分は集中できないんだ」と嘲笑気味に自分を責めることを繰り返してきたが、そんなことはもう止めよう。自分という傍観者が付きまとうようになったのは、不可避で不可逆なある種の成長の結果に過ぎない。端的な事実だ。
 僕が今取り組むべきなのはそんな問題ではなく、具体的な行動を起こすことだ。何ごとにも関心が向かないのは、自分が世界に背を向けているからだ。自分で勝手に結果を予測して動かないのは、自分の内に存在する材料がどれだけ不十分なものであるかに目を瞑っているが故だ。

 外に出よう。そして人と会おう。何かを感じ、表現しよう。