『長い道』

こうの史代長い道』、双葉社,2005

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 「荘介」とその妻、「道」のお話。

 友人に借りて読んでみました。どうして貸してくれたのかわからなかったけど(僕が言ったんだっけ)、読んでみて判明。すっごくツボ。いい。何がいいって、時折道が見せる表情がいい。うまいなあ、絵。『DEATH NOTE』みたいな絵のうまさとは全く違うんだけれど、うまい。

 荘介くんはものすごくダメで、見てて共感を覚えそうになるのが恐い。道のズレかたにもびっくりさせられるんだけど、ただのすっとぼけじゃないんだよね。荘介は好き勝手やっているようで、実は道にどんどん引き寄せられちゃっていく。

 いい意味で、達観しているというのかな。身近なものをないがしろにすることなく、自分にこだわらない。道みたいになりたいけど、きっと僕は荘介になっちゃうだろうなあ。


 追記:…しかし、こうのさんは「竹林」好きだなあ。